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「美容外科名医101人」 インタビュー


<神戸大学医学部附属病院に美容外科「診療科」設置>

医学部だけでなく、全学の合意・承認を得て
すべての美容外科治療が可能に

<アンチエイジングを中心に美容外科のセンターを目指す>

一瀬晃洋先生
<神戸大学医学部美容外科 准教授・診療科長>に聞く

 神戸大学医学部附属病院が、昨年10月、美容外科の「診療科」を設置し、本格的な美容外科治療を始めました。これまでの大学病院の形成外科の美容外科「外来」では、さまざまな制約で、限られた美容外科治療しかできませんでしたが、神戸大学医学部附属病院美容外科の「診療科」によって、美容外科全般を研究・教育・治療できる大学病院ができました。同大学講師、診療科長の一瀬晃洋先生にうかがいました。

美容外科「外来」は簡単にできるが、
「診療科」設置は、非常に難しい

――まず本格的に美容外科を開設された経過について。
一瀬 現在、日本の美容外科は、多くの美容外科クリニックがあって、患者さんもたくさんおられますが、美容外科を統括する部署がありません。厚生労動省も「自己責任でやってください」という立場をとっています。これでは、問題があって偏見の目で見られがちの美容外科の現状が改善することはなく、困る患者さんが減りません。またまじめに美容外科を研修したい医師がいても、その施設がありませんでした。
 私達美容外科医自身が、現状をなんとかしなければならない、それができるのは大学病院ではないか、大学は元々そういう機関ではないかとずっと思い続けてきました。
 しかし日本の医療は保険診療が基本ですから、保険診療の外である美容外科は、ほとんどの大学病院で関わってきませんでした。
――最近はかなりの数の大学病院の形成外科に、美容外科「外来」が設置されていますが。
一瀬 たしかに多くの大学の形成外科に美容外科「外来」があります。しかし今回神戸大学医学部がつくったのは、美容外科「診療科」で、従来の美容外科「外来」とは質的に異なります。
――といいますと。
一瀬 形成外科の中に美容外科の「外来」をつくることは、形成外科の教授がつくろうと思えば簡単にできますが、「診療科」を作るには、病院全体、さらに医学部以外のいろいろな学部がある大学では、全学の合意・承認が必要です。これまで形成外科に美容外科の「診療科」のある大学病院がほとんどなかったのは、医学部全体、また全学の合意を得ることが非常に難しかったことが原因の一つです。
――神戸大学医学部だけで、それが実現したのはなにか理由があるのですか
一瀬 病院の執行部が、これからの医療における美容医療の大切さ、重要性を十分理解していただいていたことが一番の要因です。
――医学部以外の、他の学部全体の承認はさらに難しかったのではありませんか
一瀬 承認を得るのにかなりの時間を要しましたが、それは当然ともいえます。予算との関係もありまして、具体的に動き始めてから3年ぐらいかかりました。発想はもっと前からあったのですが、国立大学が、独立行政法人になってから現実味を帯びて、それから始まりました。

これまで大学病院ではできなかった
様々な美容医療が可能に

――美容外科「外来」と、医学部全体、全学の合意を得た美容外科「診療科」とでは、具体的にどこが異なるのですか。
一瀬 美容外科「外来」では、厚生労動省の認可が得られていない薬などによる治療の導入は難しいとされてきました。ヒアルロン酸注入、表情のシワをなくすボトックス治療などは、その薬などを正式に輸入できないのでできません。神戸大学医学部の美容外科「診療科」ではそれらの点をクリアして、一般の美容外科クリニックでできる美容医療のほとんどができるようになりました。
――ヒアルロン酸、ボトックスなどの治療は、今も他の大学病院の美容外科「外来」ではできないのですか。
一瀬 難しいと思います。日本の美容医療で一般的に用いられる治療薬や治療機器の多くは、国内未承認のものです。国内未承認というのは必ずしも危険であるということではなく、国内に美容医療を対象として審査や承認を積極的に行う機関が欠如しているためです。承認されていない治療薬や治療機器は、国内で販売は許可されておらず、購入することができないのです。未承認の薬剤でも、一般の美容外科クリニックでは医師が個人で輸入して自己責任で使用していますが、そのようなことを従来の国立大学病院の枠組みで行うことは不可能です。神戸大学病院の美容外科「診療科」では、美容医療の先進国であるアメリカのFDAが認めているものであれば、使用できる枠組みを作りました。
 リスクマネージメントの点でも、これまでの国立大学の美容外科「外来」では美容医療に対する賠償保険がないなど医療紛争に対する取り決めや備えを十分行うことができない状況の中では、看板は掲げていても積極的に診療を行うのは、難しかったといえます。神戸大学はその点もクリアしました。
――神戸大学で初めて大学病院で本格的な美容医療ができるようになったのですね。
一瀬 神戸大学医学部附属病院の英断です。
 神戸大学附属病院の美容外科「診療科」は、これまでの大学病院の形成外科「外来」とは中身が全くと言っていいほど違います。
 最後に残っているのが、全身麻酔の必要な手術です。美容外科で行う手術は全身麻酔を必要とするものがあり、例えば顎の骨などを削る輪郭の手術などは今のところ神戸大学附属病院の美容外科「診療科」でもできません。この問題は、現在麻酔科医が不足していることと、美容医療の全身麻酔に対するリスクマネジメント体制が整っていないからです。これらの問題をきちんと解決して、麻酔科の合意を得ることが全身麻酔手術の実現のために必要です。

アンチエイジングの患者さんが9割以上

――神戸大学で美容外科がスタートして3か月ぐらいですが、患者さんの反応はどうですか。
一瀬 いま神戸大学でしようとしている美容外科は、一つはアンチエイジング(抗老化)の外科で、患者さんは30歳以上の方がほとんどです、もう一つは、他の美容外科医院などの治療で、患者さんの希望どおりの治療が受けられなくて、後遺症とまでは言えなくても、診療後に悩んでいる方のご相談です。必要な場合は、修正手術もすることがあります。今のところはアンチエイジングの患者さんが9割以上です。
――患者さんにとっては、大学病院ということで信頼度がずいぶん違うでしょうね。
一瀬 7、8割が美容外科にはじめてかかるという方で、「美容外科は今まで行ったことがなかった。行きたかったのだけれど、なにか抵抗があって、行けなくて今回初めて来てみました」「大学病院だから変なことはないだろうなと思ってきました」という患者さんがほんとうに多いですね。
 神戸大学に美容外科の診療科ができて、まだ3か月ぐらいですが、想定していた1年分以上の患者さんに来院頂きました。
――実際にどれぐらいの数ですか。
一瀬 週に、初診患者さんが20数名、継続の方を含めると30人弱です。このままのペースは続かないと思いますが、今回私達が国立大学に本格的な美容外科をつくったことで、「美容外科の治療が大学病院で受けられる」ということが、選択肢の一つとして、社会的に認知されたと思います。
――それだけ患者さんがたくさんこられるということは、ニーズがすごいということですね
一瀬 それも今まで行ったことがないような初心者の患者さんですから、新しいニーズを掘り起こしたのだとだと思います。

形成外科で十分基礎体力をつけてから
美容外科医に

――最初に、「これまで美容外科の教育機関がない」と言われましたが、一瀬先生ご自身は、どのように美容外科の勉強をされたのですか。
一瀬 医学部を卒業後、先ず5、6年かかって形成外科の専門医を取りましたが、その間にも、また形成外科専門医になってからも、大学の外で美容外科をいろいろ勉強してきました。さらに眼瞼下垂症手術をはじめとするまぶたの手術を数多くやって、それから顔面全体の手術を習得していきました。日本の有名な美容外科、技術に優れた美容外科の医師を訪問して勉強させていただき、さらに国際学会には出来る限り出席して最新の知識を得て、ここと思う外国の施設があればお願いして手術見学や、あるいは短期留学をして美容外科を勉強しました。
 これからの大きな課題として、欧米人と日本人では、骨格や肌が全然異なり、欧米人を対象とする美容外科と日本人を対象とする美容外科は違って当然なのですが、これまでは美容先進国の欧米の美容外科を日本人・東洋人に適用してきました。日本人を対象にした美容外科の研究がもっと必要で、それも大学の役目だと考えています。研究というとレーザーなどの新しい機械を開発するイメージがありますが、日本人に合った手術方法を作りだす研究も積極的に進めたいと考え、その中で若い医師を育てていきたいと考えています。
――美容外科には形成外科の研修が必須と言われますが、どういう研修が行なわれるのですか。
一瀬 スポーツでは、「走り込んで基礎体力をつけること」がすべての基礎で、それなしにはどんなスポーツ競技をしてもいい成績は残せません。美容外科で「走り込んで基礎体力をつけること」に当るのが形成外科です。美容外科のどの分野をするにしても、形成外科でしっかり基礎を作っていないと美容外科はできません。先ず形成外科で勉強しないとだめです。
――具体的にどのようにされるのですか。
一瀬 今の制度では、医学部を6年で卒業して、2年間の一般研修、その後で4年間形成外科をして、形成外科専門医の認定を受けます。この中に一部美容外科を含むことができますから、形成外科で1年間程美容外科の研修を行い、その後で美容外科を専修するという形になります。形成外科研修の中である程度美容外科をやっていって、形成外科の認定医を取ったあとは美容外科を頑張ってやるという形です。それが私達の考えている美容外科の最短の研修です。形成外科4年の研修できちんとした形成外科医になれるかというと必ずしもそうでもなく、制度の変更前は形成外科専門医取得まで6年の研修が必要でしたが、私の場合は、それでも足りなかったかなという感じがします。
 また美容外科でも、小さな手術をする美容外科もありますし、非常に大きな変化を与える手術をする美容外科など、いろいろな美容外科があり、どちらを目指すかで研修の内容も変わって来ますが、最低ラインとして、形成外科専門医の資格をとる必要があります。

アンチエイジングを中心に
美容外科のセンターを目指して

――一瀬先生は、形成外科の外で美容外科の勉強をしたといわれましたが、これからは神戸大学形成外科の中で美容外科の研修がかなりできるようになるのですね。
一瀬 自分の責任で美容外科の手術を積極的に行っていくのは、形成外科の専門医を取ってからになります。しかし、それまでに形成外科の中では美容外科で行われるのと大きく変わらない手術が行なわれます。また、美容外科においても若い医師にチーム医療として手術に携わってもらうなど、いろいろな形で研修ができます。新しい取り組みですので、実際には診療を行いながらシステムを作っていき、若い医師を育てていくことになると思います。
――クリニックや民間病院との関係は、どう考えておられますか。
一瀬 研究・治療・教育の面で、クリニックや民間病院とは密接な連携が必要です。
 神戸大学での治療は、アンチエイジングがメインになりますから、アンチエイジング以外の美容外科の手術については、民間の美容外科クリニックなどの施設で勉強をする必要があります。また、大学病院で全身麻酔の手術が出来ず、また手術枠に限りがあるためフェイスリフトをはじめとする大きな手術は、多くても年に50人くらいまでしかできないので、関連施設で手術を行ったり、信頼できる病院を紹介して治療してもらうことが必要で、それができないと患者さんが困られますし、若い医師の研修もできません。
 神戸大学病院では原則的に、フェイスリフト、さらに脂肪吸引、豊胸手術などの大きな手術を主体にして、あとの補助療法は近隣のクリニックでやって頂いています。例えばヒアルロン酸の注入などは近隣のクリニックで入れてもらって、手術が必要なら大学病院でやって、手術が終わってからのアフタケアは、またクリニックで行ってもらうこともできます。近隣のクリニックで治療上難しい問題が生じた場合などは、こちらでみさせていただくこともできるかもしれません。そういうところに大学病院の存在意義があります。大学病院としてはこのような連携によって、美容外科クリニックと共存共栄していければと考えています。そういうところに大学病院の存在意義があるのではないでしょうか。
――神戸大学病院に、若い患者さんで、「こういう人の顔にして欲しい」と言ってこられたときには、どうされるのですか。
一瀬 「やめた方がいいですよ」「後で後悔するかもしれないですよ」とアドバイスします。病院としてアンチエイジングをやっていこうという合意ができていますので、何でもかんでも顔を変えたり、体を作り変えたりする手術はしません。アンチエイジング以外の美容外科手術ならば、他の病院を紹介することがあります。
  患者さんにはもちろん、美容外科クリニックや民間病院の医師、医学生など皆様に「できてよかったな」と思われるような、アンチエイジングが中心の美容外科のセンターになればと構想しています。
――ありがとうございました。


一瀬晃洋先生略歴

昭和42年長崎県生まれ。平成5年神戸大学医学部卒。同大学附属病院耳鼻咽喉科に勤務する。平成6年に兵庫県立がんセンター頭頚部外科を経て、平成9年に大阪大学附属病院形成外科、りんくう総合医療センター市立泉佐野病院形成外科に勤務する。平成11年に神戸大学大学院医学系研究科で形成外科を専攻し、医学博士を取得。平成15年に神戸大学附属病院形成外科助手に就任する。平成19年に神戸大学大学院医学研究科(形成外科)/神戸大学附属病院美容外科講師に就任する。平成20年4月には正式に神戸大学医学部附属病院美容外科診療科長に就任予定。

http://www.med.kobe-u.ac.jp/cosme/index.html

 



 

 

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