美容外科医・医院の選び方、3
医院の形態で選ぶ
「大手美容外科」と
「ついでにクリニック」は危ない。避けよう。
Q.美容外科医院といっても、医者が一人のところ、何人もいるところがあるけど…。
A.美容外科治療をしている病院・医院は、下記の6つの形態がある。
@個人クリニック
A熟練医グループ医院
Bついでにクリニック
C大手美容外科医院
D総合病院
E大学病院
Q.個人クリニックって、経営も治療も医者一人でしている所?
A.そう。〇〇美容外科、〇〇美容外科形成外科医院、○○形成外科クリニックなど、〇〇に病院長の名前を入れて、美容外科医一人で、すべての治療をしている個人経営の医院だ。
院長がすべての治療の責任を持たねばならないから、失敗すればその美容外科医院の評判が悪くなって、患者がこなくなる。費用のかかる大々的な広告などもしない、できない。このタイプの医院は信頼性が非常に高い。目・鼻・脂肪注入など、特定の治療に特化していることがほとんどで、医師と看護師の二人だけの医院もある。
Q.熟練医グループ医院って?
A. 2つのタイプがある。
個人クリニックで、経営は美容外科医一人で、治療は大学病院の教授など、信頼できる医師をスタッフにしている医院。場所はたいてい一か所。
もう一つは、優れた医師がグループをつくって治療していて、東京・名古屋・大阪など、4、5か所くらいの拠点を持っている美容外科医院。
このタイプの美容外科医院も信頼性が高い。個人クリニックと違って、複数の医師が
それぞれ得意の分野を持っているので、広い治療分野をもっている。
Q.「ついでにクリニック」って何?面白い名前ね!
A.元々、「内科」「皮ふ科」「産婦人科」などをしている個人クリニックで、これまでの診療科に「美容外科」を付け加えて、美容外科治療をしている個人医院。 「患者に女性が多く美容医療の要望が多い。レーザーや注射(皮膚充填剤注入)など、メスを使わない美容医療ができるようになった。自分でもできるだろう、一儲けしよう」と、美容外科の研修も受けていないのに、ついでに美容外科の看板を出すクリニック。私は「ついでにクリニック」と名付けている。
このタイプの医院は非常に危ない。
「レーザー」はメーカーが操作法を教えてくれるが、治療の原理は、皮膚や血管を熱で焼いて治療する。危険で、患者の希望に応じた治療が必要だし、数千万円もするレーザーも数台必要。片手間にできる治療ではない。
「注射」は、内科などで使う血管や筋肉への注射とは全く異なって、組織の中へ、異物や自分の脂肪を注入する。血管や筋肉などの薬は、数時間、数日で排出されるが、美容外科の注射療法で使われるコラーゲン・ヒアルロン酸・レディエッセなどの液体物質は、フィラー(皮膚充填剤)と呼ばれるように、半年から3年は残って、皮膚のシワやへこみを目立たなくする。注入量が少なくては効果がなく、多すぎては腫れ上がってしまう。しかも品質の悪い物質を使用した場合は、内部でしこりをつくって、危険だ。
脂肪の場合は、生着すれば良いが、そうでない場合は、やはりしこりをつくる。
個人クリニックが良いと言っても、「ついでにクリニック」は、非常に危ない。かかってはいけない。
Q..「大手美容外科医院」って、私も知ってるよ。ブランドだもんね。東京だけでなく、札幌 仙台 千葉 横浜 名古屋 大阪 福岡」などと、全国に10、20の医院をもっていて便利だし。
A.「大手美容外科医院」は、もっとも危険な美容外科医院だ、かかってはいけない。
Q.えっ、「大手美容外科」がどうしてダメなの?「大手」って、その業界の中で、大きな規模を持っている代表的企業ってことでしょう。「業界大手」「銀行大手」「大手商社」「大手家電メーカー」、みんな規模が大きくて、信頼できる企業だよ。「大手美容外科」も美容外科医院の中で、規模が大きくて、信頼できる病院なんでしょ。
A. ところが美容外科医院で「大手」は、お金儲けだけをしたい医者が、院長になって、形成外科・美容外科の技術も経験も無くてお金だけが欲しい医者を雇って、美容外科手術をしている、最も危険で危ない美容外科医院なんだ。 Q..へ―知らなかった。ほんとなの? 友達で、「美容外科の手術受けたい」って親に相談したら、「大手美容外科で受けるならお金出してあげる」って言われた子もいるよ。 それに全国に20もあれば便利じゃない。東京に行かなくても自分の住んでる近くで美容外科の最新治療が受けられるんだから。
A. じゃ、聞くけどどうしてブランドだって思うの?
Q.そりゃホームページだってカッコイイし、女性週刊誌にもタウン誌にも、テレビにだってきれいな広告出してるし、やっぱり良い治療をするからたくさんの患者さんが来てお金も儲かるんだし、人気もあるんじゃない。テレビでもタレントが出てすっごくほめてたよ。
A.それが大間違い。アメリカでは、大統領夫人が美容外科できれいになったことをパーティで話す。韓国では、美容外科手術をしてきれいになったことを自慢する。ところが日本では、患者が美容外科手術を受けたことを隠す。それで口コミでは、良い医院も悪い医院もわからない。また美容外科学会が2つもあって美容外科の信用がなく、朝・毎・読・サンケイの4大新聞では、美容外科の内容について全く報道しないし、広告も一切しないという方針が、30年以上も続けられている。
Q.そういえば大新聞で美容外科のことは書かれていないし、広告も見たことがないね。書かれているのって、死亡事故の時ばかりだね。
A.口コミもない、新聞記事もない、つまり客観的な情報が全くない。しかも美容外科で金儲けだけをしたいような医院は、診療もデタラメだから美容外科の死亡記事のたびにその医院の名前が出て、「あそこの病院は危ない」「あの医院だけは行ってはいけない」と患者がどんどん来なくなる。
それでは経営して行けないから、信じられないような大金を広告料につぎ込んで、ホームページ、女性週刊誌、タウン誌、テレビ、など若い女性が見るようなありとあらゆるところにその医院の広告を派手に出して、その医院が一流の美容外科であるかのように見せかけて患者を集めて、美容外科の技術も経験もないいい加減な医者を雇って、いい加減な治療をして、大もうけしているのが大手美容外科だ。
Q. 信じられないような大金の広告費ってどれくらい使ってるの?
A.一つの医院が年間60億円から70億円。そのような大手美容外科の年間広告費用を総計すると、数百億円にもなる。全国各地に同じ名前の美容外科医院を出来るだけたくさんつくっているのも、同じ広告を出せるから、医院の数が増えれば増えるほど、一つの医院当たりの広告費が安くなるからだ。
その結果、「こんなに宣伝するくらいだからきっと一流の美容外科に違いない」ってブランドになっている。でも治療内容は低レベルで、数十億円の広告費を取り戻そうとして、派手な広告に惑わされてやってきた患者を、考える時間を与えないで何が何でも早く手術をして、何十万、何百万のお金を出させて、一日何千万の売り上げを上げて、一週間の研修で埋没の二重まぶたとシリコン挿入の初歩の治療しかできない医者にも年収数千万円の収入を出している。大手美容外科ってそんな世界だ。さらに二重の手術できた患者に「あなた鼻も低いね、この際やったら」などと、患者のコンプレックスを刺激して患者が望まない手術でもやって、さらにお金を出させて売り上げを伸ばしている。そうしないと経営していけなくない。
Q.医療事故が起こったりしたらどうするの?
A.患者からクレームがつくとまず無視。患者が何度も言うとヌラリクラリと言い訳をしてあきらめるのを待つ。それでもあきらめないで「訴訟する」と言うと、 そんな時のために契約している悪徳弁護士が出てきて、せいぜい5万、10万の示談金で収めようとする。実際患者が訴訟をしようとすると、多額のお金と時間がかかるし、ストレスは並大抵ではない。訴訟に勝てるかどうかも分からない。多くの患者が泣き寝入りする。
たとえ裁判に勝ったとしても、傷つけられた顔や体は、元に戻らないことも多い。
私のホームページの無料相談でも、その95%以上は、大手美容外科を安易に受けて失敗した人からの相談だ。
「大手美容外科」は、経営しているオーナーも、働いている医者も、患者のコンプレックスを食いものにしている。非常に危ない、治療を受けてはいけない美容外科だ。 |