美容外科医・医院の上手な選び方.7
「美容ガイド」にご注意
掲載料を出した美容外科医院だけが
掲載されている
Q.「美容ガイド」って何よ。
A.インターネットのホームページで、「美容外科を探すなら○○」とかいう、美容外科医や医院を紹介するホームページがあるのを知ってるだろう。
Q.ああ、あれのこと。知ってる知ってる、いろいろあるよね。インターネットで一番大きい「美容○○」というホームページなんか、600以上の美容外科医院を紹介してるよ。女性が作ったサイトとかで、私だってあそこに紹介されてる医者の中から選ぼうって思ってるよ。
A.それはとても危険だ。そういうホームページは掲載料を出しさえすれば、どんな美容外科医院でも載せてる。掲載料で儲けるために作られたページだ。
Q.へー、本当?
A.そうだよ。名医中の名医って人もほとんど出ていないし、金儲け本位で実力のない美容外科医院はほとんど出ている。600何人とか出てるっていうけれどその中で、まじめな美容外科は10人もいない。院長のいない医院まで出ている。大学病院や総合病院の美容外科医がそういったリストにほとんど入っていないのは、勤務医は宣伝をしても自分の収入にならないから掲載料を出さないからだよ、
Q.でも600人の中には悪い美容外科もいるかも知れないけれど、その中からいい美容外科を探せばいいんじゃないの。そう言うのって普通じゃない。
お店行ったっていろんな商品並んでて、良いのも悪いのもあるよ。その中から自分でいろいろ手にとって確かめたりして、「これが一番いい」と納得して、それで後で「良くなかった」ってわかってもそれはその人の責任じゃない。
A.普通の商品はそれでもいい。でも医療ってのはそれではいけない。いい加減な治療をされて前より悪くなったり、死んだりしたら大変な.ことになる。だから医師という免許をもっている人間でないと診療できないようにしているし、厚生労働省も監視してるし、それぞれの科が団体をつくって内部的にチェックをし、広告も一般の商品のように大々的にできないように法律で決めている。
ところが日本の美容外科だけは、「日本美容外科学会」が二つもあって、日本医師会にも、日本医学会にも入れなくて、厚生労働省も監視しない、内部的なチェックができないし、広告もやり放題になってる。それに美容外科ってのは、人間の第一印象である「顔」を手術する。それがいい加減なことをされて、「ああ、悪い美容外科医にかかちゃった」では済まされない。最近のように脂肪吸引のような大きな手術では死亡事故だって起こることがある。.
Q.それはわかるよ。でも美容外科以外の科でも、掲載料を出している医院だけのリストつくったりしてるんじゃない。
A. 確かに、美容外科以外の科でも、「全国病院・医院ガイド」とかいうホームページがあって、どこかの名簿をそのまま掲載したり、また掲載料を払った医院だけを掲載している。
しかし 「名医って何?」のところで詳しく書いたのだけれど一般の科の場合は、お金儲け本位の医者は全体の1割から2割程度、8割から9割の医者は名医でなくてもまじめにやっているから、誰彼なしに医院を紹介しても、それほど大きな害はない。
しかし美容外科だけは、 お金儲け本位で実力のないの医者が全体の9割、実力があってまじめに取り組んでいる医者が1割と、完全に逆転している。そういう科で
美容外科医院の名簿をそのまま掲載したり、掲載料を払った医院だけを掲載するのはとても危険だって思わない?
Q.ふーん。そういうことか。
A.マスコミも、そういうところをしっかり取材・調査して政府に改善を要求すべきなのに、一切触れようとしない。10年以上も前に「週刊文春」が「悪徳美容外科を斬る」と三ヶ月にわたって大特集を組んでいたけれど、今では出版界も呆れてしまって記事にもしなくなってしまった。
Q.もう一つ聞きたいんだけど、女性週刊誌で「いい美容外科を紹介します(無料)」とか、
「美容外科のことならなんでもご相談下さい(相談料無料)」なんて小さい広告が出てるけど、あれはどうなの? なんか客観的にいい美容外科医を紹介してくれるような気がするんだけど。
A.あれもだめ。ちょっと考えてみたらいい。
無料で相談受けるんだったらそこへ出している広告料はどこから出るのかって。 小さい広告だけど、数十万円、もしかしたら百万円 越すかも知れない。
Q.相談に来る人から取らないとしたら・・・。そうか紹介する美容外科医院からお金取るんだ。
A.つまり客観的に紹介するような風を装ってるけど、金儲け本位で実力のない美容外科医院のひも付きなんだ。こういう広告にひっかっては絶対ダメ。
この「美容外科名医101人」は、
掲載料や広告料をとらないの?
Q. じゃあ、聞くけど怒らないでよ。この「美容外科名医101人」だって同じようなもんじゃないの。どこかからお金取らないとこんな大きなサイトって運営できないよ。どうやって「101人の名医」を選んだの。
A.いい質問してくれたね。「名医を選んだ方法」のところにも書いたけど、まず「日本形成外科学会」「社団法人日本美容医療協会」など、信頼のできる団体の協力を得て、全国53名の美容外科・形成外科の名医のリストを作成。その53名を、札幌からから沖縄までクリニックや大学の研究室を訪問して、一人づつインタビューして、一人二時間くらいインタビューした。二時間も二人だけで話をすると、その人の人柄ってかなり分る。それが「美容外科名医101人」の元になった「信頼の名医 形成外科美容外科」という496ページの本だ。それを核にして、その推薦などで名医リストを増やしていったんだ。「私、大竹奉一が推薦します」という形でこのリストは作られている。
Q.ふーん、そうなの。でお金はその名医からとるわけ。
A.医者からは、広告料、掲載料、協力金など一切の名目のお金をとらない。だってそんなことしたら、「やっぱりお金もらってる医者を名医と言ってリスト作ってるんだ」ってことになって誰も信用しなくなってしまう。
それで一年前にこのホームページをオープンした時には、運営資金だけでも欲しいと思って「名医リスト」だけは有料にして希望者に5000円で購入してもらおうと、半年続けた。ヤフーの検索にも入れられて半年ほどで2000のアクセスがあって、リストも数十人の人に購入してもらった。このまま頑張ればアクセスも増えて、リスト購入者も増えるだろうと思ったけれど、今年の12月19日からそのリストもオープンにしてこのホームページを見てくれた人は、誰もが101人の名医リストを全部見ることができるようにした。
Q.へー。どうしてそんなことするの。苦労して時間かけて、取材して作ったデータだったらお金出して買ってもらうのが当然じゃない。
A. これまでにアクセスしてくれた2000人すべての人ににリストを見てもらっていたらもしかしたら金儲け主義の美容外科医で被害を受けた人を一人でも救えたんじゃないかなって反省もしたんだ。それに「羊頭狗肉(ようとうくにく)」って、「羊の頭を店に掲げて羊の肉を売ると見せかけて、中に入ったら犬の肉を売る」っていうことわざがあるんだけど、「美容外科名医101人」というタイトルを見て来てくれた人に「リストは有料です」っていうのは「羊頭狗肉」じゃないかって感じたんだ。
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